ワンブラ家でスーツケースを開け、彼らにとっては久しぶりに日本の匂いのする
プレゼントを見ながら語りあい、夜がふけた。
でも、翌朝が大変だった。
佳織のスケジュールのこともあって、早速というか、翌朝には
ンゴロンゴロ自然保護区へ出発した。
のっけから本の広告みたいな話しで申し訳ないのだが、歌手の大貫妙子が書いた
「ライオンは寝ている」(新潮社)はンゴロンゴロ自然保護区を記録したものとしてはベスト本のように思う。アフリカに関する書籍は多く、すべてに目を通すことは難しいので自信を持っては言えないのだが…
「野生動物の楽園」という言葉がピッタリのンゴロンゴロ自然保護区は
ライオンや
アフリカ象などの動物を意外に簡単に見ることができるのだが、「今、動物たちは何を思いはせているのだろうか」と言ったことを大貫流にツラツラとおもんみながらのサファリを試みたつもりである。
一面、ここでこの草原に住むマサイ族の生活に触れることができた。
顔にたくさんのハエがたかっているにもかかわらず、それを振り払おうともせずにカメラの前に立ってくれた子供がいた。目をそらさずに見てやってください。
この二つの写真を基点にして、ンゴロンゴロ自然保護区の話しをスタートさせます。
「ンゴロンゴロは国立公園ではなく自然保護区で、
ここはもともとマサイの土地なんです。
タンザニアがマサイと契約して自然保護区という形をとっているんです」
ジェルミ・エンジェル(日本在住の英国人・動物学者・写真家・作家)
朝日出版社「アフリカのゆかいな仲間」より