今、アフリカのほとんどの国は独立して40年近くを経過している。
ケニアのケニヤッタ、タンザニアのニエレレなど、建国の政治家たちはいずれも、
詩人であり、学者であり、カリスマ性をもった、スケールの大きな人物であった。
でも、ヨーロッパを模倣した社会主義国家の建設が性急すぎたり、
イデオロギーにこだわりすぎて、国家運営がうまく機能しなくなった。
「アフリカのこころ」 土屋哲・著 岩波ジュニア新書 「最新高等地図」 日本書院 1964年(昭和39年)2月発行
東京オリンピックの年の高校の人文地理という教科で使っていた地図です。
40年ほど前、アフリカは激動期を迎えていました。現在の地図と相違点を三つほど。
<1>
タンザニアの国名が「タンガニーカ」となっています。
注<1>…64年10月、タンガニーカとザンジバルが合邦し、タンザニア連合共和国が誕生する。
63年12月、ザンジバルは独立国となったのだが、この地図には表現していない。
<2>
ケニアの国名だけが黒字になっていますが、独立国でないことを意味しています。
注<2>…タンガニーカが61年、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジが62年に独立していますが、
ケニアも63年には独立しています。この地図は改訂がおくれたものと思われます。
<3>
キリマンジャロが国境の北側、ケニア側にあります。
注<3>…キリマンジャロがケニアからタンザニア側に移ったのは独英同盟(1898-1902)の
頃ですから、この「最新高等地図」はかなり古い地図からの転写と想定されます。