「主食のウガリはトウモロコシの粉にお湯を入れて練りあげて作る。
スープはトマトと魚を一緒に煮込んだものが多い。
食べる時はウガリに窪みをつけ、その中にスープを入れて口に放り込む。」
「タンザニア サバンナの小さな王様ラジャブ」 中村晴子・著 偕成社
[30][31][32]で書きましたように、我々はワンブラ家にホームステイしていたわけですが、日頃、どんなものを食べていたのかを述べます。かなりワンパターンな食事でした。
これはウガリ。トウモロコシが材料で消化は良いが、ほとんど味はありません。ご飯や食パンと同じように、あたたかいうちに食べるのがコツです。冷めるとパサパサした感じになります。
ウガリが好きになれるかどうかが、この種の旅のカギになります。則二は◎、美枝子は△。
夕食はご飯が主食になることが多かったと思います。お米を買いに行ったら、粒が細長い「外米風」のものから、丸っこい「こしひかり風」のものまで種類が多いのに驚きます。日本と気候の似たタンザニア南部で品種改良の末、おいしい丸っこい米が穫れるようになりました。
これは魚の入ったスープ。魚以外では鶏肉、日本の金時豆に似た豆が主体になるのですが、
いずれもトマトと少量の塩で味付けします。このスープをウガリやご飯にかけて、現地の人は手で食べます。でも、スープをからめるところが難しいので、我々はスプーンで食べます。
上記のトマト味ですが、スープの素材となるトマトとサラダ用のトマトとは別種になります。
驚いたのは、バナナもお料理に入れるためのものと普通に食べるものとは別々にあるのです。
上の写真はお料理用ですが、太さも長さも普通のバナナの2倍以上。味は芋に似ていました。
さて、タンザニアの家庭料理。問題は同じものが、毎日、昼食と夕食で繰り返すことです。
これでは単調すぎないかと自称「女中頭」の美枝子が時々は台所に入り、腕を振るいました。
なぜか子供たちに至るまで楽しそうに手伝ってくれます。ソーセージと茄子のスパゲティ。
「写真撮るからゆっくり食べろよ」と言っているのに、「タム!(おいしい)」と言いながら、
ザマラーディちゃんはペロリとたいらげた。ジャパニ・チャクラ(日本の食べ物)、好評です。
左は日本から持って行った高野豆腐に卵を絡めたもの。右は卵とジャガイモと牛肉のおでん。
少し粘りけのある現地の小麦粉を使っての手打ちうどん。味付けは日本の「うどんスープ」。
キャベツと卵だけのお好み焼き。お好み焼ソースの味が大好評だったのが意外だった。
で、お気づきのように燃料が炭火。しかも七輪(かんてき)。焼き肉屋さんみたいで、いい感じ。
【LOG in BLOG】05.1.20
このLOG(日記)の欄で震災ものが続いていますが、勢いに乗じて、一冊の本の紹介をします。
星野監督の一年目(02年)の阪神タイガースがヘルメットに「あしなが育英会」という文字を入れていました。プロ野球球団があのように文字を入れる場合、相当な広告収入が得られるのですが、あしなが育英会の場合は無料でした。ところで、あしなが育英会に関する本は何冊か出ていますが、極めつけが出ました。八木俊介35歳、あしなが育英会のレインボーハウス館長代理の新著書です。10歳の時に交通事故で父親を亡くした彼の活動家としての10年が綴られています。
「レインボーハウスのこどもたち」 八木俊介・著 月刊センター 800円(税別)
「思い出すと体が震えるほどの恐怖。悲しく寂しくて止まらない涙。何に対しても
力が湧かない虚無感。親を助けられなかったり、自分をかばって親が死んだという
罪悪感。震災のショックをほとんどの子が忘れたいと思っています……」