マタトゥは庶民の足、気軽な乗り合いミニバスだ。
しかし、単なる交通機関以上の役目を担っている。
庶民文化の象徴で流行風俗発祥の源とも言われている。
「アフリカ日和」 早川千晶・著 旅行人・発行
ケニアで「マタトゥ」と言っていた乗り合いバスが、タンザニアに来たら名前が違っていた。
「ダラダラ」と呼ばれていた。二国ともスワヒリ語国であり、生活習慣もよく似た国なのに、
なぜ、乗り合いバスの呼び方だけが違うのだろう。ケバケバしいボディペインティングをした
ケニアのバスに対して、タンザニアはボディにCity Busと書いてあり、我々には馴染みやすい。
ケニアでは一度も乗らなかったのだが、ダルエスサラーム大学のきれいな景色の中を走っている
ダラダラを見ていると乗りたくなった。ワンブラさんは「あれに乗るの?」とたしなめていた。
乗ってみたら、早川千晶さんが書いているように庶民感覚が素晴らしい。乗客が後ろの席から
埋めてゆき、補助席に至るまで有効に利用することに協力していた。マナーがいいのである。
小さなバスなのだが、車掌がいて切符がもらえる。乗るたびに切符の色が違うので蒐集した。
しかも、何処まで乗っても15円。最高1時間乗ったこともある。市内見学をして15円である。
ここはウブンゴというターミナル。ターミナルでは乗りたいダラダラを探すのが大変なのだが、
大声で行き先を言うと「あっちの方に停まっている」と乗客や車掌が指さして教えてくれる。
ターミナルには野菜や果物を売る商人も並ぶ。それを値切りながら買うのが、また楽しい。
【LOG in BLOG】05.2.17
「5年間のアメリカ留学を終えてケニアの生まれ故郷に帰ったら、川におたまじゃくしがいなくなったことに気付いた。その事が私のグリーンベルト運動を始めた動機になっている。」
ノーベル平和賞受賞のワンガリ・マータイさんが14日に来日し、16日の京都議定書の基調講演を行い、今、日本のマスコミに登場している。良いタイミングの来日だし、日本として鉢巻きを締め直して環境問題に取り組まねばならない時期に来ていることは確かだ。
延べ約8万人、約3000万本の植林活動は偉大なことである。その背後に勤勉で緑を愛するケニアの女性たちの姿が浮かぶのだが、この活動が日本だったらどうなるのかと考えてしまう。
上の写真はナイロビの郊外のレストランでトイレに行く途中で撮ったものだが、従業員の控え室に行く通路の脇にこのような植え込みがあった。緑に対するケニアの人々の想いとか執着を、我々はもっともっと学び取らねばならないのではないでしょうか。