頂上はマサイ族の言葉で「ヌガイエ・ヌガイ」つまり神の住家と呼ばれている。
この頂上の近くに乾き切って凍った豹の屍がある。
こんな高所で豹が何を求めていたものか、誰にも説明がつかない。
「キリマンジャロの雪」 アーネスト・ヘミングウェイ著 佐伯彰一・訳 講談社
なぜ豹は山に登ったのか? なぞなぞが解けた。
道に迷い、堕落しかけた豹は、原点を呼び起こしてくれる場所に戻りたかったのだ。
魂にこびりついた贅肉を落とすために、格闘家が山ごもりをするように。
映画「キリマンジャロの雪」 ヘンリー・キング監督 ケイシー・ロビンソン脚本
グレゴリー・ペック エヴァ・ガードナー スーザン・ヘイワード出演 (20世紀FOX 1952年)
まず、簡単な地図を見ながら、この山の概略を述べます。
キリマンジャロは単独峰で四方が平原に囲まれています。北側と東側はすぐにケニアとなり、今回、登る途中ではケニアのサファリパークの景色も目に入りました。西側や南側はタンザニアで、コーヒーやジュート麻の農園が拡がっています。
我々はダルエスサラームからモシまでは高速バスで行き、そこからクルマでキボ・ホテルへ。
キボ・ホテルはコーヒー栽培でも知られるマラング村の中にあり、ここで登山のあらゆる準備をします。1日目は544kmのバスと、20kmほどのクルマの移動。約10時間の長旅でした。
因みに、ケニアのナイロビからは距離も時間も半分くらいになるので、ヨーロッパからの登山者はナイロビ経由でここに入る人が圧倒的に多いのです。
ダルエスサラームを出発した高速バスは海岸沿いではなく、内陸部をほとんど真っ直ぐに
キリマンジャロの方向に走り続ける。途中の「道の駅」のような所には農産物が売られている。
アルーシャの手前、キリマンジャロの南側、コーヒーの産地として有名なモシの町で下車した。
宿泊するキボ・ホテルのマイクロバスに乗った時、運転手が「写真を撮るなら」と連れて行ってくれた場所からのキリマンジャロなのだが、夕刻のせいか腕が悪いのか、もうひとつだった。
古い登山記録にもしばしば登場するキボ・ホテルである。登山の歴史が詰まっている感じだ。
地元の人達は昔からこの山をキボと呼んでいた。スワヒリ語の時代になって「輝く丘」という
意味のkilimanjaroとなった。ホテルは外観も内部も豪華とは言えないが気品に満ちていた。
標高は1600m。我々としては久々にひんやりとした場所に身を置くこととなった。
そして、今回の登山の総指揮はこのホテルのマネージャーのジュリータさんである。ガイドや
ポーターの召集から日程や装備まで世話してくださり、我々は彼女の言われる通りに行動した。
キリマンジャロ登山には、東西南北、いろいろな方向から8つのルートがあります。その中でもっとも一般的なルートがこのマラング・ルートと呼ばれるものです。
マラング・ゲートから歩きはじめ、標高にして約1000mごとに3つの山小屋(ハット)があり、登りはそれぞれに1泊ずつする。最初の3日間は1日5〜6時間ずつの登りとなるのだが、4日目のキボ・ハットから頂上までは深夜から早朝にかけて登る。頂上でご来光を見た後で下山。その日はホロンボ・ハットまで下る。この4日目は午前0時から午後3時まで15時間の長丁場となるが、途中で仮眠(昼寝)の時間もある。そして、最後の5日目は一気にマラング・ゲートまで降りる。登りが3日半、下りが1日半。合計5日間の山行となる。
今回の登山では則二はウフル・ピーク登頂を目指すのだが、美枝子はホロンボ・ハットまで登り、その後、下山することになっていた。
翌朝、ガイド2名、ポーター5名、我々2名を乗せたクルマは途中、食糧を買い込み、登山口の
マラング・ゲートに向かった。諸手続きのほか、ひとり1日30ドルの入山料をここで支払う。
この国は支払いのある場所では、このように拳銃を持ったアスカリ(守衛)が立っている。
【LOG in BLOG】05.2.19
美枝子が友人から「芦屋かるた」を手に入れました。1000セット限定で1000円です。できたてのかるたのようです。芦屋かるた製作委員会というのが発行元です。よくできています。絵ふだは22人の小学生と21人のアマチュア画家。読み札や解説を書く人が大勢参加しています。絵ふだの裏には200文字くらいの解説文が付いていて、別途に「かるたマップ」というのがあって、それを一緒に見ていると、「芦屋って、いい所なんだなぁ」という風に思えてくるように仕上がっています。このように作る人々の顔が浮かんでくるような制作物っていいですね。
「芦屋川の桜」の解説文…市民の拠金によって、昭和22年に1年がかりで植栽され、その後、補植され今日の見事な桜並木になりました。このあたりは谷崎潤一郎の名作「細雪」の舞台でもあります。左岸の松ノ内緑地には桜にちなむ在原業平の歌碑などもあり、芦屋の春を彩る…
事務局:集空間Tio…http://www1.ocn.ne.jp/~tio/