熱帯サバンナの麓から凍てついた山頂まで登っていくと、
さまざまな植物相の地帯を通ることになる。
標高、降雨量、地形によって、山塊の周囲をさまざまな植物相が取り囲む。
生物学者はキリマンジャロを高度別植物相の分類の指標としている。
「ユネスコ 世界遺産」 ユネスコ世界遺産センター・監修 講談社
ホロンボ・ハットの朝は爽やかだった。左下に見えるコンクリートの椅子の形をしたものは、
洗面所である。こんなに高地なのに水道蛇口があり、プルプルッと顔を洗うことができる。
上空は青天。でも、眼下には一面の白い雲がたなびいて、下界を見わたすことはできない。
洗剤のテレビCMでよく聞く言葉の「輝く白さ」とか「ふんわり柔らか」というのは、きっと
この雲のような状態なのだとバカな連想をしながら、流れる雲をひとり孤独に見入っていた。
以上の3枚の写真はデジカメのデータによると30秒おきにシャッターを押している。早いテンポ
で変化している。急に上面に凹凸ができてきた。飛行機からヒマラヤの山群を見ている感じに…
第3日目の朝、少し寒いのでレンタルのダウンジャケットを着て歩きはじめた。この辺りは案
内書には「尾瀬のような湿原地帯」と書いてあるが、長い乾燥期の後のためか、ヒース(低木・
草地)帯となっている。この日は、終始、ウフル・ピーク(頂上)を見ながらの登はんとなった。
背後の岩峰は
[65]で述べたマウェンジである。標高5151m。火山が風化して、まるで城壁の
ような岩々が連なっている。Last Water(最後の水場)を過ぎると、やや赤みをおびた土や岩の
砂漠となる。ここはThe Saddle(鞍部)と呼ばれ、今回のコースでは最も平坦な上り坂である。
ここから上は植物が一切なく、涸沢さえ無かった。憧れの峰が眼前に迫ってきた。
さて、ここから、またまた、3枚の雲の連続写真になる。
山頂付近にレンズのような半透明の雲があらわれて舞っていた。
データによると、この3枚は1分おきに撮したものである。
【LOG in BLOG】05.3.9
3月と4月の歌舞伎座は「中村勘三郎襲名披露」である。華やいだ雰囲気を味わいたくて、1月下旬にはインターネットで席券を購入しておいた。今回、上京して会う人ごとに観劇のことを伝えると、すでに4月末まで完売なので「何で私の分、買ってくれなかったの」と言う。何とも気分はいいし、舞台への期待が高まっていった。そして、期待を裏切らない芝居を観ることができた。
勘九郎は我々世代には可愛い子役時代をまず想う。そして、最近の平成中村座ニューヨーク公演の画期的な演出など、時代を代表するアーチストになってきたような気がする。
夜の部、3演目観たのだが、三島由紀夫原作のコメディ「鰯売恋曳網」を推す。いわし売り(勘三郎)が一目惚れした遊女を玉三郎が艶やかに好演。二人が結ばれて花道を退場する時に玉三郎が襲名慶事を述べると勘三郎は「そなたは何時までも色っぽいのぉ」と切り返す場面があった。
初演は先代勘三郎が歌右衛門を相手に演じているらしいが、無論、観ていない。