九月の末になると、街のあちこちで
ジャカランダが咲き始める。
薄紫の小さなベルのような花で全身をおおい、街の様子を一変させる。
普段は目立たない樹だが、こんな所にもあったのかと驚かせるところが桜に似ている。
「ムチョラジ(絵描きさん)!」 坂田泉・絵と文 求龍堂
都市生活者を巧みに描くことで定評があるムクーラの「Scrambling for the Bus」というティンガティンガ絵画である。ボディに「KUNDUCHI-KARIAKOO」と書いてある。
カリアコーはダルエスサラーム中心の商店街なのだが、そこに向かう満員バスの典型がクンドゥチ始発のもの。そうなんだ。クンドゥチはリゾートであると同時に郊外住宅地でもあるのだ。
タンザニアには49日間の滞在だったが、このクンドゥチ・ビーチには二度来ている。
一度目は九月末の日曜日、
ワンブラご夫妻の案内で初めての日帰りドライブだった。
花の季節なのだが、ここでは、なぜか、ジャカランダよりも
ブーゲンビレアが目立っていた。
駐車場からホテルの中を通り抜けて、プールで泳ぐでもなく、ビールを飲んだり、食事をするでもなく、ただ、ジッと海を眺めた。ご夫妻にとっても、お気に入りの場所なのだろう。
二度目は帰国直前の土曜日から日曜日にかけてだった。1カ月半という長期ステイになったワンブラ家へ我々の感謝の意をこめての、このビーチコンバーホテルに一泊のご招待だったのだが…
カルビンくんもザマラーディちゃんもプールで泳げるということで張り切っての同行だったのだが、出発直前に来客があったりなどで到着時刻が遅れ、水着を濡らすことなく帰宅となった。
いつも賑やかな二人がホテルの中ではレディース・アンド・ジェントルメンの顔になった。
ワンブラご夫妻は土曜の午後から携帯電話が鳴り続け、自宅と職場とホテルを行ったり来たり。
結局、ホテルに落ち着いたのは土曜の深夜だった。そして、日曜の朝食を終えるとそそくさに帰路に着くという多忙さだった。この忙しさって、発展途上国独特のものじゃないのだろうか。
このビーチコンバーホテルのインテリアには驚いた。パンフレットには、
世界的な室内装飾家によるcolors of African heritageと書いてある。
壁、天井、柱に施された、淡く、ほんのりとした色調に見とれてしまった。
この色彩って、ジャカランダを模したのだろうか。
【LOG in BLOG】06.2.13
[45]のLOG(日記)で書きましたが、タレントの加藤晴彦がケニアの
ナイロビのスラム街であるキベラに行ってのドキュメント「あいのり」(フジテレビ系列)がありました。あれから一年少々になりますが、その続編のような番組を2月13日午後11時15分から30分間放送しました。
再度、ケニアに行った加藤晴彦に対して
早川千晶さんが説明役として登場。キベラのホーリーユニティ小学校が道路建設のために廃校になるという話しから始まります。そこの生徒から移住希望者を募り、11人の子供がケニア東部、インド洋沿岸のミリティーニ村に見学に行きます。
11人の子供たちは自然がいっぱいのミリティーニ村がすっかり気に入り、移住を決心します。
生徒のひとり、8歳の男の子のエリック君はキベラの家に帰って母親に言います。
「僕はこの家を出ていくよ。新しい学校で勉強したい」
焼きとうもろこしを売りながら、4人の子供を育てている母親はうつろな目になって応えます。
「そうなの。私はこの子に何もしてあげられない。だから引き留めることはできない。
これからはエリックを遠くから祈るしかない。祈るしかできない」
元気いっぱい、幸せそうに、11人の子供がミリティーニ村に移住して行きます。そして、番組が寄付を集めて新築した「あいのり学校ケニアスクール」に入っていく所で終わっています。
エリック君のお母さんの悩みは、今、アフリカが抱えている悩みそのものでしょう。
子供たちを受け入れてくださったミリティーニ村の方々の慈悲深い行為を称賛します。
一本のバオバブの木が立つ丘の上、そこに建ったピンク色の新校舎は何ともきれいだ。
このテレビ番組「あいのり」の裏話を早川千晶さんがE-mailで送ってくれました。
今回の主役とも言える10歳の男の子のトニー君は義父に虐待され、Street Children(浮浪児)になっていました。彼がミリティーニ村への移住が決まった時にこう言って泣いたそうです。
「僕は路上で寝ていたとき、毎晩『神様、どうか安心して暮らせる場所をください』と
お祈りしていました。神様はその祈りを聞いてくれたのです」
これまでのご寄付で立派な校舎が建ちました。
あいのり募金はまだまだ続きます。引き続き、浄財をお願いしています。
受け付けはこちらから〜
【LOG in BLOG】06.3.3
ディジュリドゥという、珍しい楽器のライブを聴いた。
オーストラリア大陸の先住民アボリジニがユーカリの木の内側をアリに食べさせて空洞にした木管で、何と1000年以上も前からの民族楽器である。ただし、写真の二本は竹でできている。
演奏するのは、はくさんまさたか(写真右)という神戸の方である。普通、地面に座って演奏するらしいが、レストランの中なので立ったままとなった。大きな楽器で大きな音量を発するわけだから、体力を要するようだ。左の女性は彼の弟子で、終盤の二曲は共演となった。
音楽的にはモンゴルのホーミーを低音にした感じと思ったのだが、当たってるかな? 違うかな?
会場は
「世界のごちそう パレルモ」というレストラン。エスニカルな創作料理が美味だった。