ケニアで暮らしていると、自分たちは貧しいんだから助けられて当然でしょ、
お金を持っているあなたたちは貧しい私たちを援助して当然でしょ、
という姿勢に触れることがたびたびあり、そのたびにうんざりした。
人に頼るのではなく、自分たちの手で良くしていこうという気持ちはないのだろうか。
ケニアの暮らしに根づいているハランベー(相互扶助・
ケニヤッタ初代大統領のスローガン)は、
悪い方向に向かうと、依存心に偏り、自立心を失わせる。
「アフリカ日和」 早川千晶・著 旅行人・発行
千晶さんたちが行っているのは、ひと言でいえば「お仕事をつくるための活動」なのだ。
豊かな人から寄付を募って、貧しい人に分かち与える…そんな活動は今までに数多くあった。
でも、お金は使ってしまえば無くなるし、それを繰り替えしていては前進がない。
しっかりした教育を受けていない人、身体が少し不自由な人…そんな方に何ができるのか。
そして、働こうとしている人に何かしてあげれることはないか。
例えば、糸を撚る機械、布を織る機械、そして、洋服にするためのミシン…素朴な機械だが、購入しようと思えば、それなりの資金がいる。その資金集めのお手伝いもする。
仕事を始める準備の段階、働く人の技術の問題、作った物を売る方法…千晶さんたちがやっているのは、人それぞれに、いくつかのステップ毎に支援してゆくという途方もないことなのだ。