愉快な人たちだ。
使用人というよりも、
友だちが家事を手伝いに来ている感じだ。
我々がワンブラ家にステイした1カ月半の間、ワンブラさんもフローレンスさんも早朝から夜遅くまで不在なので、この使用人たちと一緒に過ごしていた時間が長かった。
彼女たちと一緒にいても、あまり難しい会話はできないのだが、とてもなごむことができた。
スワヒリ語の先生たちでもある。でも、我々がスワヒリ語を覚えるよりも、彼女たちの日本語を覚えるスピードの方が早かった。則二がミッシェルちゃんにカメラを向けていると「ちょっと待って。私、うつる」と日本語でアピールしながら走り寄ってくる。
そんな楽しい時を持てたことが、この旅のいちばんの収穫だろう。
ハビバ・ナッソロさん[Habiba Nassoro]31歳 既婚 ザマラーディちゃんの母
(このブログでの呼び方は「ママザマラーディさん」)
結婚しているが、ご主人は遠くに働きに出ていて、長くあっていない。フローレンスさんの従姉妹にあたり、いい相談相手でもある。テレビでフローレンスさんの好きな番組が始まると「ママザマラーディ」と彼女を呼びつけて一緒に見る。
(美枝子のアフロヘアについては後ほど詳記)この人は家事もするが、重要なのはミッシェルちゃんの育児であろう。その育児方法は啓示に溢れている。長さ30cmほどのムチを持って叩く。ミッシェルちゃんはムチを見ただけでおびえている。でも二人は仲がいい。夜は実の母ではなく、ママザマラーディさんと寝る。
エリザベス・ムパラジさん[Elizabeth Mpalazi]18歳 独身
(このブログでの呼び方は「エリザさん」)
この娘だけが親族ではない。無口だが、洗濯や掃除など一日中よく働く。
我々がいた1カ月半の間、実家に帰るでもなく、デートに行くこともなく、ずっと家にいた。
結構おしゃれで、このように正装して家事をすることも多い。
「彼氏、いないの?」ときいてみたら、キャッキャッと笑うだけだった。
このブログのためにパソコンで写真のトリミング作業をしている時、後ろに立って見ているのはいつも彼女だった。こんな娘が日本にいたら、仕事の手ほどきをしてみたいと則二は思った。
エリザベス・ヨハナさん[Elizabeth Yohana]16歳 学生
(このブログでの呼び方は「エリーザさん」)
フローレンスさんのお姉さんの娘にあたる。高校に通学しながらの使用人である。
そのお姉さんが何度も娘の様子を伺いにワンブラ家に来られた。下の写真の中央の方。
多分、小さい頃から勉強ができたのであろう。母親の期待も大きいものがあるようだ。
3年後にはダルエスサラーム大学に受験するという前途洋々とした娘さんである。
通学の途中で食品の購入係も務めていた。家事を16歳の娘とは思えないほどシッカリやっている。ワンブラ家の使用人の中では唯ひとり英語が達者なので、重宝することが多々ある。
佳織が帰国する時など、空港への案内役を務めてくれた。
ザマラーディ・ナッソロちゃん[Zamaradi Nassoro]5歳 ママザマラーディさんの娘
(このブログでの呼び方は「ザマラーディちゃん」)
ママザマラーディさんの娘なので、このグループに入れたが、家事はしていない。彼女はカルビンくんの妹、ミッシェルちゃんの姉という感じで育てられている。使用人たちは我々と一緒に食事をする事はないが、ザマラーディちゃんだけは我々と並んで食事をする。
色黒だが、笑顔がとても可愛い。よく遊び、よく食べ、いい体格をしていて、スポーツ選手向きかなと思う。大学の構内にあるPre-School(幼稚園か?)に通学している。
アスカリおじさん 65歳
番外として、ワンブラ家の夜の警備に当たっているおじさんを紹介しておく。夕刻、自転車に乗って現れ、ずっと屋外に待機している。刃渡り25cmほどの刀を携え、かなり物々しい。
この家には夜だけ外に放たれる番犬も2匹いる。番犬は明るくなると窓のない小屋に入れられるので、ついに写真を撮ることができなかった。
おじさんは朝3時間くらい庭を丁寧に掃除して、自転車に乗って帰っていく。
則二はこのアスカリさんと同い年なので親しみを感じている。キリマンジャロ登頂の後でここに帰ってきた時に、まず彼に得意げに報告したのだが、「キリマンジャロって、アルーシャの近くの山?」という感じであまり感激してくれなかった。ちょっと落胆したが仕方がない話しだろう。