ここでは「納税申告」や「電車」など、意味を失う言葉がある。
そして、毎朝、なぜ服を着るのかしらと思う。
布を巻くだけで誰も気にしないじゃないの。
映画「名もなきアフリカの地で」 脚本・監督 : カロリーヌ・リンク
縦1.16m、横1.68mの布が2枚で1組。
カンガはタンザニアから広がったスワヒリ文化圏の民族衣装だ。
日常生活では女性の作業衣としてズボンやエプロン代わりに巻く。
葬式では腰に一枚、もう一枚を頭からかぶるのが正装である。涙もふけるし、
義理で出席している人は悲しくもない顔を隠すのに便利だ。
「おしゃべりなタンザニア」 木村映子・著 東京新聞出版局
上の写真はケニアのナイロビ郊外のお土産物屋であるが、周りに大きな亀がウロウロしていた。店内に亀が入ってこないように石でガードしてある。売っているのは手作りの人形なのだが…
鮮やかな衣裳をまとったマサイ族である。そして、ご注目いただきたいのは四角い布を肩に掛けていることである。これがスワヒリ文化を象徴するカンガであり、キテンゲなのである。
タンザニアやケニアで、ある時は普段着として、ある時は儀式の正装として利用されている
おしゃれな民族衣装である。じゃ、カンガとキテンゲ、どこがどう違うのだろうか。
カンガは1色からせいぜい3色でプリントされたものである。1枚が150円ほどで売られている。
キテンゲは多色でデザインも複雑な物が多く、厚手の材質になる。値段もカンガの2倍くらい。
いろいろな使い方があるのだが、これは赤ちゃんをおぶるための背負子(しょいこ)として。
もうすぐ3歳になるのに、ミッシェルちゃんはこの甘ったれたポーズが大好きなのである。
二人がかりで美枝子のヘアのお手入れの図である。
左が18歳のエリザさん、右が16歳のエリーザさん。二人ともカンガを巻きスカートにしている。使用人たちにとっては仕事着として重宝している。彼女たちはかなり多数のカンガを持っていた。
ミッシェルちゃんのような子供は全身を覆う衣裳になる。大人も風呂上がりなどにはガウン代わりに。複雑な着こなしとなるが、女性の水着になったり、バケツを頭に乗せる時の台座にも。
これはホテルの朝食バイキングの食材だが、ディスプレイのツールとして、しばしばカンガが利用される。その用途は無限大と言ってもいいほど。日本では壁掛けなどで利用されています。
以下、手もとにあるカンガ4枚、キテンゲ2枚を並べます。カンガにはスワヒリ語やアラビア語で諺(ことわざ)が書き込まれています。その文字が見えるように着こなすのがコツです。
上はサッカーボール。下は優勝カップ。その間に書かれている言葉は「人生は勝つこと」
【LOG in BLOG】05.4.16
前回に引き続き、4月16日に東灘区民センターで開かれた「タンザニア ミュージック コンサート」の報告です。バンド演奏ともうひとつ、カンガのファッションショーがありました。
デザイナーズスクールの生徒によるカンガを素材にしたファッションコンテストもあり、学生が自らモデルにもなり、発表しました。舞台、シーリングから垂らされている布もカンガです。
右の女子学生がコンテスト優勝者。賞品はタンザニアご招待旅行。彼女が身に着けているキテンゲは、上掲、本編の最後の写真と同じシマウマ柄である。左はタンザニアのムタンゴ在日大使。